KITA Ninja Jockey Web Site

渋さ知らズのトランペット奏者「北陽一郎」による
ワルシャワ・エレクトロニック・フェスティバルのライヴを収録したソロCD。
完全即興演奏によるコンピュータ音楽。

KITA  Ninja Jockey CD


このCDは、Ninja Jockey(以下、「NJ」といいます。)を使って、即興演奏したライヴ盤CDです。このライヴは、KO-ON-TEN(光音天)による2004年10月20日、ポーランドのワルシャワ・エレクトロニック・フェスティバルでのパフォーマンスです。

1 NJとは

NJとは、オリジナルのwaveサンプラーソフトウェアのことです。
NJは、1998年に私と友人の末広修一氏との共同で開発しました(プログラミングは末広氏が担当)。NJは、10のwaveファイルを同時に鳴らすことができます。それぞれのファイルは、周波数、Pan、音量を変動させることができます。
私は、水の音・波の音・風の音などの自然音やガラスの割れる音・ドアの開く音などの生活音、笙・鐘などの楽器音、声や吟詠、リズム音など5千ぐらいのwaveファイルをストックして、その中からファイルを選んで即興演奏しています。NJの詳細は、http://www.yo-yu.com/nj.htmlをご覧ください。

2 即興演奏とは

即興演奏とは何かと問えば、即興演奏家一人一人違った説明をすると思います。以下、即興演奏について私が書いた論文を引用します。
(1) 定義
即興演奏というと、よくデタラメな演奏だとか自分の本質を表現する演奏とかいったことが言われることがある。しかし、実はとても精細な演奏であるし、受動的な演奏である。即興演奏とは、演奏によって、人間間で、データ交換を行うことである。
データ交換について説明しよう。
人間は他人と関係性をもつことで、社会生活を送っている。その関係性は、合一の方向に向かう。人間は、一体化したいと思う欲求がある。
たとえば、セックス、格闘技、バンド演奏、サッカーの応援、家庭、学校、国家など合一の例 はたくさんある。合一の過程で行われるのがデータ交換である。
データ交換は、それぞれの人間が持っているデータを他人から受信し、他人に送信する作業である。データの共有を図ることで、合一が促進される。データ交換は、言語だけでなく、動作やテレパシーなどのエネルギーの流出によって行われる。
即興演奏の場合のデータ交換方法は、音、動作、テレパシーである。 音によるデータ交換が主流であろう。即興演奏でのデータ交換の相手は、演奏者がひとりの場合は演奏者、聴衆、場所であり、 演奏者が複数の場合は他の演奏者も相手になる。
データ交換は、データを受信から行う。受信したデータを無意識的に分析して、自分のデータを送信するのである。 それゆえ、まずは受動的なふるまいをすることになる。
データは微細なものである。自分を覆っている殻を排除し、ピュアにして受信しなければならない。送信についても、ピュアなデータを送信しなければならない。なぜなら、邪念があると、データの真実性がないからである。真実性のないデータは、データ交換の対象にならないのである。それゆえ、データ交換は繊細にならなければならない。

(2) 目的
即興演奏の目的は何か。
データ交換で合一し、幸福追求することである。前に述べたとおり、人間には合一の欲求がある。合一することで幸福になろうとする。
では、幸福とは何か。これは、いわゆる幸福論で議論されるようにとても難しい概念である。私は、最終的な合一が幸福であると考える。最終的な合一とは、すべてはひとつになることである。そのためにデータ交換で合一にベクトルが向き、人間は幸福を目指すのである。

(3) 即興演奏と即興でない演奏との違い
即興演奏以外の演奏でもデータ交換により合一を目指している点では同様である。即興演奏と即興でない演奏との違いは、程度の問題ということになる。即興演奏にも即興のウエイトによって、程度の問題がある。すべてを即興で演奏する即興演奏を完全即興演奏といい、それ以外を部分即興演奏という。部分即興演奏は、ジャズのアドリブ、クラシックのカデンツァなどの曲の一部に即興部分がある演奏である。即興でない演奏は、楽譜などで事前に決定されている演奏のことである。この場合でもテンポ、アーティキュレーション、強弱などで表現の余地があり、その範囲でデータ交換 が行われることになる。ただ演奏者は、譜面に書かれているデータを第一に受信することになる。

(4) 即興演奏の歴史
もともとプリミティブな音楽では、即興演奏が主体である。中世ヨーロッパにおいては、宮廷音楽では即興が主流であったし、教会音楽でも即興によるオルガン演奏が盛んであった。その後、音楽が大衆化するとともに大勢の人に聴かせる必要性から、オーケストラなどによる大人数の演奏が行われ、楽譜を使用するようになった。楽譜の登場とともに即興演奏は衰退した。大人数で即興演奏をする困難さとともに、即興演奏は、楽譜による演奏よりも高度な技術が必要になる反面、その技術を享受するシステムの確立が難しいのが衰退の原因だと考える。
しかし、現代音楽においては、即興演奏が見直されるようになってきた。新しい音楽を模索する作曲家が楽譜による演奏の限界を感じたのだろうと思う。
 民俗音楽においては、即興的要素が西洋音楽よりもはるかに多い。民俗音楽の中には、プリミティブな音楽が残っているからであろう。
いわゆるポップスの分野においては、ジャズ、一部のロック、ヒップホップやテクノなどで即興演奏が行われている。音響装置の発達により、大勢の人に少人数でも演奏を聴かせることが可能になったことが即興演奏を可能にしたと考える。
このように考えてくると、やはり音楽の本質には即興性があると考えざるをえない。即興演奏の衰退は、大勢の人に演奏を聴かせる必要性にあったからだ。即興による演奏がもっとも聴衆とのデータ交換が多いことからすれば、本質的観点からも当然の結果であろう。

(5) 即興演奏の方法
1) データ受信
即興演奏をするには、まず外界のデータをたくさん受信することからはじまる。
そのためには、自己と外界を隔てている殻を壊す必要がある。人間には、自己を守ろうとする本能(自己防衛本能)がある。自分の中に外界のモノを入れようとすると拒絶反応を起こす。
確かに、自己防衛本能は生きるためには必要なモノであろう。
しかし、即興演奏においては、まず外部のデータをできるだけたくさん受信する必要があるから、自己防衛本能を壊す必要がある。本能に反することをしなければならないから、この作業はとても大変なものである。
具体的にはどうすればよいか。
開き直れるまで、精神的にも肉体的にもキツイことをするのが一番早いと思う。人間は、キツイことしているとき「もうどうなってもいい」と思う限界点がある。この限界点を過ぎたとき、とても楽になることを感じた人もいると思う。楽になった瞬間、いままでわからなかったことがわかるようになった経験がある人もいるであろう。
実は、この限界点を超えると自己と外界を隔てる殻を壊すことができ、外界のデータを大量に受信できるのである。
2) データ分析
つぎに受信したデータを分析することになる。この分析は、無意識に行われる。すなわち、脳の奥の部分、いわゆる爬虫類の脳において行う。
この分析は瞬時に行う必要があるため、他の脳では処理が間に合わないからである。ここで、この分析の内容を書くことはできない。なぜなら、非言語領域における分析を言語で記述することはできないからである。
少なくとも、この分析にはピュアな心が必要といえる。無意識に分析がなされるため、ピュアでないと自己に都合のよい解釈がなされる恐れがあるからである。
それゆえデータ受信・分析においては、いずれも自己防衛本能をなくすトレーニングが必要になる。人は、邪念が生じやすいものである。それはプライドであったり、愛着であったり、欲望であったり、嫌悪であったりする。ピュアな心をもつのは相当に大変なことである。
またピュアになればなるほど、外界の変なデータも受信するから、調子が悪くなったり病気になったりしやすくなる。それゆえ、常にデータクリアをしなければならない。このデータクリアの作業も大変である。熱によって燃やすのが一番はやい。即興演奏は、ピュアな心をもってするのが一番いいのだが、もちろん、ピュアな心の状態での即興演奏だけが即興演奏ではない。ただデータ受信と分析が難しくなることは確かである。データを受信・分析が不十分だと、自分勝手な演奏になりがちであるし、最後には即興ができなくなることもある。
3)データ送信
データの送信には、演奏技術が必要だ。トランペットならば、自分の分析したとおりのデータを送信できるトランペットのテクニックが必要になる。そのために日々トランペットのトレーニングをする。NJは、トランペットに比べればはるかに簡単だ。それゆえ自分の分析したデータを送信しやすい。
また送信には、お客さんに自分をさらけ出す度胸(開き直り)も必要だ。これも自己防衛本能があると上手く送信できない。このプロセスでも、自己防衛本能を壊す必要がある。
以上

3 KO-ON-TEN(光音天)とは

KO-ON-TEN(光音天)は、野々ユキノのダンスを「光」として、北陽一郎のNJとトランペットを「音」とするユニットです。結成は、1999年12月ごろです。NJを使ったライヴは、1998年から活動しています。詳細は、http://www.yo-yu.com。

4 私流NJを使った音楽

以下、前に私のサイト(http://www.yo-yu.com)のエッセイコーナー載せたエッセイを一部修正して引用する。
Ninja Jockey(NJ)は、オリジナルのPCソフトである。ちょうどDJブースが10個あるようなもので、waveファイルを使う。waveファイルを使うソフトとして、有名なものではACIDやLIVEがあるが、NJがこれらと違う点は、次のとおりである。
―弔伐をきっちりと揃えない点である。縦については、音程がない。フリケンシーで周波数を自由に変えることができる。横についても自由である。小節がない。
敢えて、テンポを揃えない。ステレオの右左に振るPANも自由に変えられる。
▲螢▲襯織ぅ爐悩遒襦LIVEはリアルタイムでも作れるが、ある程度あらかじめ決めておくことが多い。NJは、完全にリアルタイムの即興演奏である。縦と横が自由であるから、ボタンを押したり、マウスをクリックするタイミングで音楽が変わってくるのである。
ソースの周波数を変えて使うのが一般的である。ソースは、テンポや音程を合わすことはあっても、ソースのイメージを変えることはないのが通常である。NJは、通常、周波数を変えて使うから、テンポや音程が異なってきて、ソースのイメージを変えて使う。例えば、テクノのリズムも周波数を低くすれば、雅楽のように聴こえるのである。
これらのNJの特徴を使って、私は次のような音楽を作りたいと思っている。
縦に自由な音楽。すなわち、音程が12音で決まっていない音楽。
横に自由な音楽。すなわち、リズムがきちっと合っていない音楽。ズレてる音楽。
ちょうどガムランのように、いくつも異なった音程やリズムが重なって、唸りが出る音楽である。最近のクラブミュージックは縦と横がきちんと揃ったものが多い。コンピュータなど使えばなおさらだ。しかし、ずれている音楽のほうがナチュラルだと思う。ライヴ演奏が盛り上がるのも、ずれている音楽のほうが訴えかけるものがあるからではなかろうか。私の参加している渋さ知らズも相当にズレている。しかし、そのほうがパワーがあるようだ。また、これは推測であるが、武満徹が求めた音の世界に近いかも知れない。武満はオーケストラなどを使って試みたが、12音の楽器では、楽譜が複雑になるし、演奏も難しい。しかし、NJでは簡単にできる。このようにNJは、私の追求する音楽を作るうえで重要なToolになっている。
なお、上記の特徴をもった音楽を聴いていると、右脳が活性化するようである。整った音楽ではないので、情報量が非常に多い。複雑系である。そのため、あまりの情報量で開き直り停止した左脳に代わって、右脳を使うことになる。
以上

5 なぜライヴ盤なのか

コンピュータ音楽というと、自宅のスタジオにこもって、一人で作るイメージがあります。ライヴでもあらかじめ仕込んだ演奏をする場合が多いのです。最近は、テクスチュアー指向ともいうべき音楽が多いし、サンプル音源のようなCDも多いと思います。
しかし、私自身は、ジャズミュージシャンだと思っていますので、上記のような音楽やCDを作ることに興味はありません。ジャズの醍醐味はライヴであるし、私の即興演奏の考え方からもコンサート会場やお客さんの存在が必要です。
そこで、コンピュータ音楽のライヴ盤を出すことにしました。これが私にとって一番素直に音楽を演奏できるのです。また、DVDと勘違いされるリスクをかけても、ダンサーのユキノをクレジットし写真も載せました。私の音楽にとって、ライヴ、すなわち、共演者のユキノ、お客さんの存在、会場の雰囲気、そのライヴまでのいきさつが必要なのです。

6 ワルシャワライヴに至ったいきさつ

ヨーロッパでの最初のライヴは、2001年にブタペストでのフェスティバル出演です。そのフェスティバルのオーガナイザ(ニューヨークの会社)のMP3配信WebSite(xenomusic.com)にCD1枚分の音源を提供しました。その音源をポーランドのクラクフのミュージシャン兼オーガナイザのウーカッシュが聞いてくれて、2002年、私がケルンに滞在しているときにメールをくれました。
その後、しばらく連絡をとっていなかったのですが、2004年のヨーロッパツアーのときに連絡をとりました。ツアーの1ヶ月前だったと思います。3箇所ブッキングしてくれました。ホジョフ、クラクフ、ワルシャワ(いずれもポーランド)です。
KO-ON-TENの海外ツアーは、2001年のヨーロッパツアー、2004年のニューヨークツアー、ヨーロッパツアーです。NJでは、そのほかに2002年ニューヨークツアー、2003年ヨーロッパツアーがあります。
このCDは2004年のヨーロッパツアーの最後のコンサートのライヴ盤です。このツアーは、まず、ブッパタールで、クラフトワークやノイなどで活躍したエバーハルト・クローネンマンさんとのコンサート、ホジョフでのコンサート、クラクフのUNSOUNDというエレクトロニックフェスティバルのアフターコンサート、そして、ワルシャワのエレクトロニックフェスティバルでのコンサートです。最後のワルシャワでのコンサートをCDにしました。
CDのフロントカヴァーの写真は、コンサート前に散歩したワルシャワの公園で、私が撮影したものです。バックカヴァーの写真は、コンサート前に食事したピエロギの店でオーガナイザ兼ミュージシャンのマルチンが撮影してくれたものです。彼は、写真家でもあります。私とユキノは、ワルシャワコンサートの前日にクラクフから電車で来ました。
コンサートまで2日間、ワルシャワの町を散歩したり、食事をしたりしましたので、ワルシャワの空気を感じることができました。
このCDは、私の感じたワルシャワの空気が音になっていると思います。

7 曲の解説(タイムテーブル)

このCDは、1曲(1トラック)しかありません。コンサートの最初から最後までを無修正で収録しています。コンサートでは、ユキノがダンスをしましたが、残念ながら、CDでは見ることができません。しかし、私はユキノと十分にコミュニケーションをとりながら、即興演奏をしましたので、音からダンスを想像できるかもしれません。
音楽の解説をします。
・まず、水のしずく音から始まります。ライヴ前に美しい池のある公園(ジャケットのフロントカヴァーの写真)を散歩しました。そのときの印象が強かったので、水のしずく音から始めようと思いました。その後は、連想の鎖をつなげて行きました。その場のいろいろな思いが音の連鎖になっていますと思います。
・次に雅楽の笙の音が聴こえてきます。笙は雅楽では天上の音だといわれています。音を聴くだけで崇高な気持ちになります。
・石笛が聴こえてきます。石笛の音は、神降ろしのようです。能の最初に龍笛のソロを奏でます。これは神降ろしの意味があるようです。
・水のボコボコ音をコンピュータ流にしたような音がします。これは水の音とMIXして、独特な雰囲気を出しています。時々周波数が変化し、音も変化しています。
・鉄扉の開閉の音がします。心地よいSE音も入ります。ほら貝が聴こえてきます。水もチャポチャポという音に変化します。銅鐸も聴こえてきます。
・6分30秒ぐらいから、トランペットが入ります。バックでは、水、ドアの開閉音(これは低い周波数に変化しています)、SE音、銅鐸などが鳴っています。
・トランペットが終わった後、9分40秒ぐらいから、雅楽の越天楽が聴こえてきます。編成は、龍笛、篳篥、笙の3管です。
・井戸の滑車の音、ガラスの割れる音が聴こえてきます。ガラス割れ音が周波数を変えてループしている中、ジッポの音とシャッシャというSE音がします。
・14分40秒ぐらいから、吟詠の「すかんぽの」が聴こえてきます。これは、田尻翠山さんの吟詠をサンプリングしたものです。
バックでは、ガラス、缶、缶オープン音、掃除機、スペースSE音、笙が聴こえます。
・17分ぐらいから、ホーミーとロボット声が聴こえてきます。
・18分50秒ぐらいから、ミュートトランペットが入ってきます。バックでは、パタパタ音がしています。
・20分20秒ぐらいから、リズムが入ってきます。リズムは2つあり、徐々にズレていきます。 ・22分20秒ぐらいでトランペットが止まり、22分50秒でリズムが止まります。その後、コードがあるスペースSE音がします。ガラスの割れる音、ホーミー、駆け足、ピッピッピというSE音がします。
・25分15分ぐらいから、マントラが聴こえてきます。バックでは、イヨーという掛け声、スイッチ音、ゲーム音、バイク吹かし音がします。
・31分から、お祭り音が入ってきます。カラカラおもちゃ音、鼓動音が入ってきた後、鋭いアーという声が聴こえてきます。
・33分15秒ぐらいから、ワウ・トランペットが入ってきて、ドアのきしみ音が加わります。突撃ラッパのようになったら、35分40秒から、リズムが入ってきます。トランペットは、途中からハウリングします。
・波の音が入ってきて、中東風メロディを一瞬奏でて、ロボットボイス、アーボイス、ハッボイスが入ってきます。
・38分50秒ぐらいから、別のリズムが入ってきて、ノイズになります。
39分ぐらいからリズムがチェンジして、ワウ・トランペットが高い周波数で聴こえてきます。またノイズに戻り、41分に能の謡いが入ると、突然静かになります。
・波の音だけが残ります。途中から、水琴窟の音が入ります。
・43分ぐらいから、静かにトランペットが入ってきます。バックでは、水、波、水琴窟が聴こえます。トランペットは途中から自由なフレーズになります。
・再び静かになって、水とししおとしが残って、48分ぐらいから、水滴が入ります。49分20秒ぐらいからは、ジリジリ音が入ります。
・50分ぐらいから、田尻さんの「ふるさと」の吟詠が入ります。
・51分50秒ぐらいから、ゆっくりとしたリズムが入ってきます。バックでは、ジリジリ、笙、ドン、Prinが聴こえます。
・55分20秒ぐらいでリズムはなくなります。
・雷音と笙の音が聴こえて、57分20秒ぐらいから、剣道稽古の音が入ります。
・57分20秒ぐらいから、「お友達になってください」という女の子の声が入ります。これは自宅の留守電に入っていたメッセージをサンプリングしたものです。
・57分50秒ぐらいからは、「シチズン」という昔のアナウンサーのような声がループします。バックでは、ジリジリSE音、ドンドン戸を叩く音、スペースSEがしています。
・ディジェリドゥがマントラ風に聴こえてきます。
除夜の鐘が鳴ります。
・61分ぐらいから、トランペットの寂しいバラード風の音が聴こえてきます。鐘の音ともにトランペットが止みます。
・シチズン、ジリジリ、笙が残ります。シチズンのループが止み、ジリジリ音が周波数を変えて下降して止まります。
・笙のみが残ります。冒頭の水のしずく音が入ります。始めと終わりの同一性が取られています。水のしずく音が静かに消えて、パフォーマンスが終了します。



プレス・レビュー

MUSIC MAGAGINE 2005年9月号 行川和彦 氏

 渋さ知らズのトランペット奏者でもある北陽一郎の昨年のライヴを収めた「Kita Ninja Jockey/光音天 ワルシャワライブ」(サン・ノース・コーポレーション/地底 SN001)も出た。このCDは、ニンジャ・ジョッキー(10のウェイヴ・ファイルを同時に鳴らせるオリジナルのサンプラー・ソフトウェア)を主に使った即興だ。時に和楽 風、時にスペーシー、時にダンサブルといった具合に、場面が移り変わってゆくのだが、多彩な音声はホントに生々しく、なめらかな流れでスリリングな展開、インプロヴィセイションの新しい可能性を感じさせる。映画のような約67分、北の詳細な解説書付で、楽しめます。

無線と実験 2005年9月号 今井正弘 氏

 オリジナルのwaveサンプラー・ソフトウエア、Ninja Jockeyとトランペットを使っての即興演奏。10のファイルを同時に鳴らせるソフトの中には水、波、風などの自然音、ガラスの割れる音やドア開閉などの生活音、笙や鐘などの和楽器、また声や詩吟、そしていくつものリズムが収められている。  単なる音を使っての風景描写や、コラージュ、パッチワークを目的としているのだけではなく、音の記憶の呼び出しと、現在進行形の音で作られる新たな記憶の誕生との衝突がなんとも生々しく形成されるのだ。操っているのは渋さ知らズのトランペッターである北陽一郎で、生の楽器との重なりもむろんある。雅楽へとたどり着いた音 は、鋏の音で切られたり、時間軸の縦横、風景のデフォルメ、声の孤立、地底、海中、天空の音などが自在に繰り出され、それが音楽へと編み込まれていく。ワルシャワ・エレクトリック・フェスティバルでのライヴ盤で、ストーリー性もなかなかに小気味いい。

CDジャーナル 2005年10月号 後藤 氏

 光音天は、渋さ知らズでの活躍で知られるトランペット奏者の北がダンサーの野々ユキノと結成したグループ。本作は2004年、ポーランドでのフェスティバルでのライヴを収録、自然音や生活音を駆使したソフトウェアによる即興が中心。独自の音宇宙を構築している。

Disk union.net

 渋さ知らズのメンバーとしても知られる北陽一郎とダンサーの野々ユキノのユニットによる、ポーランド・ライヴ。自ら開発したサンプリング音楽ソフト「ニンジャ・ジョッキー」を駆使したトランペット・ソロの演奏。なので、常にバックには雅楽や水の音など、様々なサウンドスケープが賑やかに鳴り響き、すんなりと音の世界に没入出来る。1時間以上ノン・ストップのソロ・インプロだが、メリハリに富んでいて飽きさせない。

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Disk Union

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Tower Records

kita@sunnorth.jp